
キャラメル、甘く
第1章 *条件
「おい、望月」
と、
梶さんに腕を引っ張られた。
「何ですか?」
「大丈夫だろうな?あいつ。
経験がある様なやつには見えんが」
「大丈夫ですよ!
まあ、見といて下さい!」
「そうか?」
若干、不安そうな梶さんの顏。
その気持ちは私にも分かる。
もう時間がない。
ぎりぎり粘るにしても明日までが限度。
かく言う私も不安なのだ。
いろんな女の子に手をつけてる、なんて。聞いた話でしかない。
実際の彼を見てるとそんな風には見えないし、というか、どちらかというと真面目なタイプに思える。
でも、
「大丈夫です」
言い聞かせる様にもう一度繰り返した。
