キャラメル、甘く
第2章 *未経験
「ああもう!!!」
ダンッ!
大きく机を叩いた私に、
「今度は何だよ…
お前今日女子の日か?」
違うっ!
梶さんの的外れな指摘に泣きそうになりながら…
(もう、本当どうしよ……)
この後、私は梶さんと酔いつぶれるまで酒を飲み、そのまま朝を迎えた。
・・・*
夜のホテル街は何だか怪しい雰囲気に包まれている。
カップルがあちこちにラブホテルに入っていく姿を見ながら、私の足取りは重かった。
何回も撮影で来たことがあるとは言え、その時は梶さんや杏樹、スタッフ達がいた。でも今回はたった一人。
(こわい…どうしよう…)
24歳とは思えないビビりよう。