
キャラメル、甘く
第2章 *未経験
ああだこうだ考えているうちにも目的地に到着する。内心吐きそうな気持ち(緊張しすぎて)を堪えて入り口に目をやると。
「圭太くん…」
紺のブレザーを来た男子高校生が私の声に反応してこちらを向いた。
その子こそ今日待ち合わせていた本人。
「遅い」
「え、嘘…」
慌てて時計を見ると15分は過ぎていた。
しまった。緊張のあまりふらふらしていたらこんな時間に!
「ごめん……えっと」
「いくよ」
すたすたと先に行ってしまう圭太くんの後を慌てて追いかける。
これ、周りにいる人は私達のことをどう見てるんだろう…
ついていくのに必死になりながら、ホテル内に入ったことで更に緊張が高まる。
部屋につく頃にはもう、
私の頭の中は真っ白になっていた。
