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キャラメル、甘く

第1章 *条件




「そこら辺にいるイケメンでいいってもんじゃないんだぞ」

「だって、腕には自信あるって…」


言ってたし。



どういうことをするのか
ちゃんと説明した。



その上で、
『俺、ばりばりっすよ!』
と胸を張って答えてくれた彼。



どこがだ。



さっきから何ともないように振る舞って演技を続けてはいるものの、素人の目から見ても動きはぎこちない。



そりゃあ、杏樹はうちの事務所一押しのアイドル。
きょどってくれるのはありがたいことなんだけれど。




「男なら堂々とリードしてほしい!」

「…俺がもうちょっと若かったらなぁ」

「梶さんは黙ってて下さい」

「……」


そう、全然ドキドキしない!
杏樹の魅力を相手が引き出してくれないと困るのだ。

自主制作のこの撮影は言わば、他所に知ってもらう為のPR。SEXシーンを盛りこんだのも、それぐらいこの撮影にかけているからだ。

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