キャラメル、甘く
第3章 *不透明な感情
「ないでしょ!!!!!」
「何一人でつっこんでんの」
「………」
だって、ありえないでしょ。
そんな。
彼に限って。
むくれた顔で朱莉を見上げる。
今日は朱莉の部屋に泊まらせてもらっている。ベッドの方に彼女が寝て、その下の布団で私が寝るのがいつものパターンだ。
「ていうか。」
「んー?」
「晴海ちゃんの元カレと。私が関係を持った、っていうのはどうなの?」
朱莉が驚いたようにこちらを見つめる。
拍子に彼女の肩から、髪がさらさらと流れおちた。
実は、そこのところもちょっと気にしていた。別れているとは言え、晴海ちゃんがこんな話を聞いたらいい気はしないだろうなと。
「あんたそんな事気にしてたの?」
「まあ、ちょっと…」
「馬鹿ねー」
「馬鹿とはなによ」
「そこは気にしなくてもいいって事。そりゃ、すごいことになったなーって感じだけど。」
「………」