
キャラメル、甘く
第3章 *不透明な感情
「あの子ももう彼氏いるしね。
無駄な気遣いはあの子にとっては余計なお世話ってとこかな。それよりも…」
「なに?」
いつになく真面目な朱莉の表情に、思わずどきりとしてしまう。
「その子、ちゃんと人を好きになったことってあるのかな?」
「人を、好きに?」
「女の子とっかえひっかえなんでしょ?なんか、さみしーね。」
「さみしー…」
さみしい、か。
一瞬、行為中の彼の表情が思い返された。いろんな女の子と体を重ねてきた彼は、一体何を思って、それを繰り返すのだろう。
「ま、それが若いってことかね!」
「………」
恥じらいも女も微塵も感じられない言い様で、彼女は大きな欠伸をし、そのまま眠りについてしまった。
・・・*
