
キャラメル、甘く
第3章 *不透明な感情
「へえ、梶さん喜んでたでんですね」
「だって聞いてよ。
机の上にキャッチコピー書いた紙まで置いてあるの!まだ、契約とったばっかだっていうのに…」
「あはは!でも分かります!私も圭太くんと、もう一度仕事ができるなんて嬉しい!」
そう言ってくすくす笑う。
セーラー服を着てても杏樹は本当に大人っぽくて綺麗だ。
杏樹がうちの事務所にやってきたのは3年前。
もともと芸能界に強く憧れを抱いていた様で、杏樹自ら所属を希望してきた。
まだ中学生、
幼さの残る女の子の顔。
それでも、その時の杏樹の強い瞳の色を、私は未だに忘れた事はない。
