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キャラメル、甘く

第3章 *不透明な感情






人を惹きつけるものはある。




作られたものではない、
彼自身の才能だと思う。





伸ばして行けばこの先も伸びて行きそうな気はする、けど…




(なんせ、何考えてるか分かんないからなあ)




圭太くんとのやり取りを思い返すと散々だ。ろくな思い出がない。



あんな事があったとは言え、こうなった以上は私も圭太くんとは普通に接していかないといけないのだ。




事務所の人間と、
一人のタレント、として。




「あ、梶さんと圭太くん!」

「え!」



噂をすると何とやらとはこの事か。



杏樹の視線の先を辿ると、確かにそこには梶さんと圭太くんが。


「望月も杏樹もここにいたのか!」


しかも、近づいてくるし。




どかっと遠慮もなく隣に腰かけてくる。それに連られて圭太くんも座る。偶然にも真正面。



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