
キャラメル、甘く
第1章 *条件
(とは言ったものの……)
正直ツテなんかある訳ないし。
夜も遅くなった帰り道。
私は激しく後悔していた。
今の相手役だって街中で、
ひっつかまえて連れてきた子だった。
もう一回そのやり方をするにしても、自信がない。
どうしよう。
明日には相手役を現場に連れていかないといけない。
自分が言ったんだから、
何とかしなきゃ。
「ん?」
ブブブブブブッ
その時、コートの中で携帯が震え出した。こんな時間に誰だろ。
「もしもし?」
「やっほ、望月。
今から飲み行かない?」
「朱莉!!」
