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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第1章 プロローグ


 風呂場から早く逃げ出したかった夏美は、急いで階段を上り、自分の部屋のクローゼットに隠れると、用意した塩水を口に含んだ。

『しょっぱいっ!』

 少し塩を入れすぎたようで、吐き出してしまいそうだったが、息を殺してじっと耐える。

 今まで味わったことのない緊張感で、夏美の鼓動が“ドックン、ドックン”と鳴り響き、それだけでも自分が恐怖を味わっているのを十分確認する事ができた。

 “ザーッ”と無音で流れるテレビの砂嵐も、妙に不気味に感じ、恐怖の演出にかなりいいアクセントになっている。

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