1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第7章 ――斎藤 梢 編――
しかし梢は、香織が欠席なのを知って少しホッとした。
優香里、沙織、千里は、何事もなかったかの様に、次のイジメの話で盛り上がっているが、昨日の香織は尋常じゃなかった。
あの、話し方といい、表情といい、まるで悪魔にでもとりつかれているかの様だった。
髪の毛を鷲掴みにされ、ドアに投げつけられた時は本気で殺されると思った程だ。
『次またあんな風に抵抗されたら……』
と思うと、梢は他の3人の様に一緒に盛り上がる事はできなかった。
ふと他の3人を見ると、悔しそうな顔をしている。
梢は自分とは違う感情を懐いている3人を見て、少し距離を感じた。