1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第7章 ――斎藤 梢 編――
それに明らかにおかしい……。
先程までは梢が走ると、足音も走りながらついてきていた。
それなのに今回は、梢がどんなに早く走っても、ついてくる足音は一定の速度を保っている。
ペト……。
ペト……。
と気持ちの悪い音を出しながら…………。
しかし梢は、それを引き離す事が出来ない……。
それでも、必死で逃げたかいあって、梢はようやく狭い路地から大通りに出ることが出来た。
人通りが激しくなる。
駅まで後少し……。
『助かった……』
と梢は思った。