1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第7章 ――斎藤 梢 編――
女の姿が見えない周りからしたら、かなり異様な光景だった。
いきなり、女子高生が大声で騒ぎ始めたかと思うと、後ろ向きでどんどんホームに近づいてくるのだから……。
「あの子、1人で何してるのかしら?」
「ちょっと! 関わらない方がいいわよっ!」
「どうせ薬でもやってんだろ?」
「最近の若い子は……」
ヒソヒソと話声はするが、誰も梢に近づこうとはしない。
とうとう後1歩進めばホームに落ちる所まで来てしまった。
「た……た……すけ……て……」
梢は最後の悪あがきをする。
ドンッ!!!!
女は、梢の声など聞かず、電車が来るのに合わせて梢をホームに突き落とした。