1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第7章 ――斎藤 梢 編――
そこに立っていたのはあの女だった。
女は梢の肩を掴み、俯いている。
梢は、しばらく恐怖で身動きがとれないでいたが、電車がホームに近づいて来る音で、ハッと我に返り、女の手を払いのけようとした。
ガシッ!!!!
しかし、女は物凄い力でもう片方の肩も掴むと、俯いている顔をゆっくりあげ、ニヤリと笑い
「梢……ちゃん……み~つけたっ!」
と言うと、肩を掴んだまま、梢を電車が来るホームに押していく。
「やめてっ!!!! 助けて!!!!」
梢は必死にホームから離れようと足に力を入れるが、女の物凄い力にまるで抵抗ができない。