1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第7章 ――斎藤 梢 編――
「マジで俺、こういうの無理です……」
1人の新人らしき駅員が、ハンカチで口を覆い、梢の散らばる身体を眺めながら言った。
「あぁ……お前は初めてだったな……俺だって、これだけはいつになっても慣れないんだよ」
年輩のベテラン駅員はそう言うと、暗いテンションで続けた。
「けどなぁ……人身事故って結構珍しくもないんだよ……ホント死ぬなら違う駅を選んで欲しいよな……」
「マジっすか……俺こんな事がしょっちゅうあるんなら仕事辞めるかもしれないっす……」
新人駅員はかなり弱気な態度を見せる。
「まぁ……そう言うなってっ! 俺だって……」
ベテラン駅員の話が終わらないうちに、新人駅員が何かを発見したらしく、ベテラン駅員に指差しながら言った。
「先輩、 あれ何ですかね?」
「ん?」
ベテラン駅員も視線を向けた。