1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第8章 成功
『……無くなるって本当だったんだ……』
香織はまだ状況をうまく呑み込めないでいたが、とりあえず頭の中を整理しようと、居間のソファーに腰かけた。
『もしかして、この家の何処かにあるのかしら? ……それとも、“あの女” が一緒に連れていってしまったのかしら?』
香織の頭の中で、この2つの選択肢がぐるぐる交差する。
もしこの家の何処かに隠れているのだとしたら、誰かに見つかる前に、何がなんでも探し出さなければならない。
あんな赤い糸で、ぐるぐる巻きにされたぬいぐるみを誰かに発見されてしまったら、大変な事になるだろう。
ここに内緒で来たこともバレてしまう。
『こんなのんびりしてる場合じゃないわっ! 流石に今日は家に帰らないといけないしっ!』
気が付くと、香織は家中を無我夢中で散策していた。