1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第8章 成功
東京駅に着き、人混みに紛れながら、香織はタクシー乗り場へと移動していた。
「流石に東京駅は混んでるわね……」
香織はため息混じりに独り言を呟いた。
新幹線の中は人もあまりいなく、快適な空間だったが、平日といえども、東京は東京だ。
軽井沢のバス停で見た行列とは比べ物にならないぐらい人が溢れかえっている。
その人混みが香織の疲れを倍増させていた。
『早く帰って休みたい……』
香織は家のベッドに横たわる自分を想像しながら、タクシー乗り場に向かう足を速めた。