1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第8章 成功
人身事故の影響なのか、帰宅ラッシュの時間なのかは分からないが、タクシー乗り場にはかなりの人が並んでいた。
時間は夕方だったが、コンクリートから跳ね返る太陽の光が、香織の身体をジリジリと照らしている。
しだいに額や、背中の辺りから汗の滴が流れてきた。
香織はハンカチで汗を拭いながら、タクシーが自分の番になるのを待ちわびていた。
1人、2人と人数が減っていき、やっと香織の番がまわってきた。
ガチャ――――
タクシーのドアが優しく迎えてくれているように開く。
香織は導かれるようにタクシーに乗り込んだ。