1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第8章 成功
駅員に強引に手を引き離されて、ようやく落ち着きを取り戻した香織は、恥ずかしそうに俯きながら、
「す、すいません……友達の事を考えたら、つい取り乱してしまって……」
と心にもないことを言って誤魔化した。
いや、ある意味、友達の事を考えて取り乱したのは事実なのだが……。
「いやぁ~それにしても女の子とは思えないぐらいの握力してるねぇ~ビックリしちゃったよ」
駅員は余程痛かったのか、まだ腕を擦っている。
「本当にすいませんでした……あの、大丈夫ですか? なんなら病院に行かれた方が……」
香織も流石に悪いと思ったのか、鞄から財布を取り出しながら申し訳なさそうに言った。