1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第9章 思い出
「お嬢様っ!! いい加減に起きないと遅刻しますよっ!!」
静江は、香織の身体を思いきり揺らし、布団を剥ぎ取ると、大声を張り上げる。
「う~ん……後5分だけ……」
香織は、剥ぎ取られた布団を力強く取り上げると、再びまた布団の中へ潜り込む。
「はぁ~……」
静江は腰に手をあて、深いため息をついた。
というのも、この香織とのやり取りは、今ので4回目だったからだ。
毎朝の事なのだが、どうやったら香織を機嫌良く起こす事が出来るのか、この家に家政婦に来て何年もたつのに、静江は未だに分からなかった。