1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第9章 思い出
「いい加減にしてくださいっ!!」
静江が本日5度目の怒鳴り声を発して、ようやく香織は、
「分かったよぉ~……起きるから……起きるから……」
と、ようやくゆっくり身体を起こし、大きなアクビをしながら言った。
今日の香織は、久しぶりに悪夢にうなされる事もなく、グッスリ眠れたので、寝起きの悪さはいつも以上に酷かった。
ふと静江を見ると、まだベッドの上でボーッとしている香織の事は気にせず、布団を素早くたたみ、ベランダに干そうとしている。
朝日に照らされた静江がとても眩しかった。