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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出



 本当ならいつも仲良くしている、沙織や千里が誰よりも梢の事を聞きたいはずなのだが、相当ショックだったのか、二人とも放心状態のまま何も発する事はしなかった。

 担任の呼び掛けがやっと効いてきたのか、徐々にクラスのざわめきが落ち着き始める。

 その時を待っていたかのように担任が再び話し出した。

「えぇ~とりあえず、今から緊急で全校朝礼があるから、皆体育館に素早く移動する事! 詳しい話は校長先生が話するから。以上」

  それだけ言うと、出席簿を脇に抱え、担任は教室から出ていった。

 担任が教室から出ていったのと同時に、またクラスが騒がしくなる。

 流石に誰も沙織や千里には話しかけたりはしていないが、明らかに気になっているようで、チラチラと様子を伺いながら見ていた。

 そんな状況に耐えられなくなったのか、突然沙織が立ち上がると、恐ろしい形相でクラス全員を睨み付け、

「うっせ~んだよ!! チラチラ見てんじゃねぇ~よ!! 殺すぞっ!!」

 と怒鳴りちらした後、机を蹴飛ばして教室から出ていった。

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