
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第9章 思い出
「あっ……あっ……あのねっ……」
香織は必死に状況を説明しようとしたが、嗚咽が邪魔をして中々上手く喋る事ができない。
すると、後ろの方で申し訳なさそうに俯いていた男の子達が、覚悟したように、
「ごめんなさいっ!!!!」
と一声に声を出した。
その声に一瞬驚いた表情をした静江だったが、すぐにこの状況を理解したようで、キリッと男の子達を睨み付けると、
「うちのお嬢様になんてことしてくれたのよっ!!」
と言いながら、“ゴンッ! ゴンッ!”と1人1人に拳骨をしていく。
男の子達はよほど痛かったのか、涙を浮かべながら頭を擦っている。
それでも静江の怒りは収まらないようで、
「今度またお嬢様にこんな事したら、こんなもんじゃ済ませませんからねっ! 分かった!?」
と怒鳴り付けた。
男の子達は
「はいっ!! もう二度としませんっ!!」
と言うと、逃げるように香織の家から立ち去って行ってしまった。
