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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出



 まだ小学校にも上がらない子供が、しっかり反省をして謝り、その上、あまり年の変わらない女の子をおぶって家まで送ってくれたのにも関わらず、この仕打ちなのだ。

 この一件以来、香織はどんなに嫌な事があっても、静江の前で涙を流すのはやめた。

 いつも何もなかったかのようにニコニコと笑顔で微笑み、毎日楽しく過ごしている素振りをして見せた。

 そうすれば静江も優しく微笑み返してくれるから……。

 香織はもう二度とあんな怖い顔をした静江を見たくはなかったのだ。

 確かに、朝起こされる時や、勉強をしていなかったりして、怒られることはしょっちゅうあるが、あの時はそういう怒り方とは全然違った。

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