
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第9章 思い出
「キャハハハ」
香織が近づいてきても、気が付いていないのか、その子は相変わらずはしゃぎ続けていた。
「こんにちはぁ~」
香織は水しぶきに向かって声をかけた。
しかし、聞こえていないのか、返事は返ってこない。
「こんにちはぁ~!!」
今度は少し大きな声を出して声をかけてみた。
しかし、やはり返事は返ってこなかった。
「はぁ……」
香織はため息を一つつくと、もう一度水浴びをする決心をして、靴を脱いだ。
すると、タイミングよく放水が止まったようで、水しぶきの水が徐々にひいていく。
『良かった……これで話が聞けるわ』
香織は少しホットしながら、水が完全にひくのを待っていた。
