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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出



『この子1人でどこから来たのかしら?』

 思わず両親の姿を探してしまう。

 しかし、噴水の周りには香織とその子しかいないようだった。

 トイレにでも行ってるのかと最初は思ったが、香織がその子の存在に気付いてから結構いい時間がたっている。

『もしかして……迷子?』

 他人事ながらちょっと心配してしまう。

 何故なら、明らかにその子は幼稚園にも通ってない、3歳か4歳ぐらいの歳にしか見えないからだ。

 まだ午前中の明るい時間帯とはいえ、1人で遊ぶにはかなり危なっかしい。

 それに公園の中で遊んでいる分にはまだいいが、一歩外に出ると結構交通量の多い道路も沢山あるので、事故にあう危険もある。

 一回気になると、悪い想像しか出来なくなってしまった香織は、そのままほっといていく訳にもいかず、その子に話し掛けようと、もう一度噴水の方に向かった。

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