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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出



 歩きながらも、さっきのは一体なんだったのだろうと、胸の辺りにモヤモヤした感情が残る。

 それに香織には、後もう1つ気になる事があった。

『あの笑い声……どっかで聞いたことある気がするんだけどなぁ……どこだったかしら?』 

 妙に耳に残る笑い声だったのだが、それが何故なのか香織は分からないでいたのだ。

『親戚にはあんな小さい子供はいないしなぁ……』

 考えても考えても分からない。

 気が付くと、もう入り口の辺りまで歩いて来ていた。

 夕方にもなれば、子供達が元気に遊んでいるのだろうが、誰にも使われていない遊具は、どこか寂しそうに見えた。

『ブランコだ……懐かしい……』

 香織はなんだか嬉しくなり、小さい頃大好きだったブランコに駆け寄ると、ちょこんと座った。

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