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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出



 久しぶりに座ったブランコはかなり小さくなっていて、奥の方まで座ってしまうと、お尻がはまってしまうぐらいになっていた。

『よくしずさんに背中押してもらったっけ……』

 香織は昔を思い出し、クスッて笑うと、静かにブランコをこぎ始めた。

 あの“蛇のおもちゃ事件”以来、しばらくは公園に遊びに来ても、誰も香織とは遊んでくれなくなっていた。

 香織に何かあれば静江に怒られると、あの男の子達が近所の子供達に言いふらし、それを恐れて皆遊んでくれなくなったのだ。

 香織が、

「仲間にいれて♪」

 と頼んでも、

「お前んちのおばちゃん怖いからヤダっ!!!!」

 といつも言われ、その場にいた子供達は一目散に香織から逃げ出してしまうのだ。

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