1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第4章 いじめ
「ちょっと! 私の後ろ、スゲ~イカ臭いんですけど!」
沙織が担任に聞こえないぐらいの小さな声で言った。
「お嬢様のクセにやること大胆。ははは」
千里も笑いながら言う。
当然、梢も
「彼氏だけじゃ、物足りないらしいよ~」
と、彰をジロジロ見ながら言った。
それを聞いた香織は咄嗟に彰を見る。
しかし、彰は軽蔑するような目で香織を睨むと、一瞬優香里に視線を移し、そのまま前を向いた。
「あ~ぁ……彼氏に嫌われちゃったね」
と、沙織はわざとらしく、ニヤけながら言う。
優香里は彰と目が合った瞬間、鋭い目つきで彰を睨んだが、その後は、満足そうな顔で、香織達の様子を見ていた。
『違う! 私はこんな事しない!』
とうとう香織は、クラスにいるのが耐えられなくなり、スッと手を挙げると、
「先生……気分が悪いので、保健室に行ってきてもいいですか?」
と、か細い声で言った。
担任は
「確かに顔色悪いぞ!? 分かった行ってきなさい。1人で大丈夫か?」
と香織に近づく。
香織はたまらず
「大丈夫です」
と一言いうと、その場から逃げるように、教室を出ていった。