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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第4章 いじめ


 教室から出ると、香織は手を丁寧に洗い、保健室へと急いだ。


 保健室がやたら遠くに感じる。


 香織は走りながら自分に言い聞かせた。


『これは夢よ! 現実じゃない!』


 夢から覚めれば全て元通りになるのだと……。


 教室に入ると、いつもみたいに優香里は冗談言いながら話しかけてくるし、彰は優しい笑顔で香織を見てくれる。


 そんな普段通りの当たり前の日常が、香織は今たまらなく愛しいと感じていた。


『夢なら早く覚めて欲しい……』


 と香織は心から思った。

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