テキストサイズ

1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第4章 いじめ


 イジメの内容は様々で、物がなくなる、壊されるといったものから、階段から突き落とされそうになったり、窓から物を投げられて、もう少しで頭に直撃しそうになる事もあった。

 香織はいつの間にか、自分の持ち物は肌身はなさず持ち歩くようになり、階段は誰かの視線を感じると、上り下りをする事が出来なくなった。

 もちろん窓の真下を歩く事も……。

『こんな事が卒業まで続くのかしら……』

 考えると涙が溢れてきた。

 しかし香織は【死】を考えた事は一度もない。

 この嫌な日々も高校生活の間だけだし、卒業したらあの4人とは会うこともないだろう。

 後1年辛抱すれば、解放されると思っていたからだ。

 あの日あんな事件が起こるまでは……。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ