1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第5章 事件
勢いよく体育館の扉を開けた。
シ――――――ン
誰もいないようだ。
昼間とは違い、放課後の薄暗い体育館は、少し不気味に感じた。
『優香里はもう倉庫で待っているのかしら?』
はやる気持ちを抑え、香織は倉庫に向かう。
「優香里~? いるの?」
倉庫の入り口から呼び掛ける。
…………。
返事はしない。
「優香里~?」
もう一度呼び掛けながら、香織は恐る恐る倉庫の中へ入った。
「ゲホッ! オホッ!」
香織はホコリ臭い空気に耐えられず、むせかえってしまった。