
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第1章 プロローグ
夏美は、部屋の中をうろつき、適当なぬいぐるみを見つけると“ポン”と名付け、準備を整えた。
後は、夜中の3時になるのを待つだけ……。
張り切って書き込んではみたものの、時間が近づくにつれ、恐怖が夏美を襲う。
けど、もう後戻りは出来ない。
確かに明日やったふりをして、適当な事を書けば、多分実際にやったかやってないかなんてバレる事はないだろう。
しかし、それでは何だか負けたような変な敗北感を味わいそうだし、後味も悪い。
それに純粋に、“1人かくれんぼ”という遊びに興味があったのも事実だ。
決して幽霊なんてものは信じていないが、もし見ることができたらどんな感じなんだろうといつも秘かに思っていた。
色々考えていると時間の経つのは早いもので、あっという間に3時になった。
「よしっ! 始めるかっ!」
夏美はわざと大きな声で言うと、風呂場に向かう。
