
二重人格ってご存知ですか?
第3章 第2章
「そっ、腕」
(腕?腕になにかあるのか?)
そう思っていると和也が俺に顔を近づけてきた。
「尚輝。僕が『開けていい』って言うまで目を瞑っててくれない?」
「?」
「ごめんね。すぐに終わるから」
俺はよくわからなかったが言われた通り目を瞑った。
「尚輝いい子」
和也は俺の耳元でそう言って片手でギュッと抱きしめてくれた。
「おい腕がどしたんや!!!早く見せんかい」
「はいはい。………目に焼き付けとけよ」
和也が腕を捲って見せたであろう瞬間、
「嘘だろ…。…きっ今日のところは勘弁してやるっ」
バタバタバタバタッ
関西弁の男はそう言って走って逃げていった。
「尚輝。開けていいよ」
ゆっくり目を開けると少し悲しそうな顔をした和也が目の前にいた。
「…和也?大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ。…尚輝こそ大丈夫?」
「だっ大丈夫///」
(『だって和也が助けてくれたから』なんて恥ずかしすぎて言えねー/////)
「それなら良かった」
「///」
(なっなんか気まずい)
