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もう、お前を離さない。

第5章 和哉の気持ち

いつの間にか私は、泣いていた。こんなに優しくされたことがなくて、嬉しくて。

「私こそ…ヒック…ごめんなさい。…ヒック…和哉さんを…ヒック…危ないめに…ヒック…合わせてしまって。…ヒック…和哉さんが、来てくれたとき、…ヒック…とっても嬉しかった、です。ありがとう、ございまし、た。」

「花怜のせいじゃないだろ。だから、泣くな。」

嬉しかった。こんなに優しくされたことがなくて…。
私、今とっても嬉しい。和哉さんが、助けに来てくれたことも、そうだけど、私のためにあんなに怒ってくれたことが、一番嬉しかった。あぁ、大事にされてたんだなぁって思えてとても嬉しかった。

帰り道

和哉さんが、おぶってくれた。和哉さんの背中は、とっても暖かくてとっても居心地がいい。

「ふぁ~。」

「眠いんなら、寝ていいよ。屋敷まで、まだあるから。」

「はい。あの、和哉さん?」

「ん?」

「屋敷に帰ったら、話を聞いてくれますか?」

「うん。俺も、花怜に話がある。今は、寝て…。」

「はい。おやすみなさい。」

「うん。おやすみ。」

チュッ。おでこにキスをする。
すぐに花怜は、寝てしまった。

すごいよな。花怜は、ずっと一人で耐えてきた。辛いとも言わず、助けてとも、言わない。もう、そんな姿見たくないし、させたくない。俺が何に変えても守る。だから、もう、目の前から、消えないでくれ…。

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