強制恋愛
第16章 *16*あなたの隣に
この声……嘘……どうしよう……
宮川くんはその声の主をみて顔から笑顔が消えた
『さ、櫻木先輩…』
頭上を見上げるとやっぱりそこには蓮が立っていた
久しぶりにみた……
なんかちょっとやつれているように見える
「れ…さ、櫻木先輩…ありがとうございます…」
蓮はちょっと微笑んでから向こうの方の席に座ってしまった
宮川くんは席に深く腰掛けて、
『殺されるかと思った…』と呟いた
どうしよう…櫻木先輩も春季体育祭実行委員だったなんて…
私たちまだ付き合ってるふりするのかな…
でも強制恋愛のルールは無くなったし…する必要無い?
ちらっと蓮のほうを向くと蓮は真剣な表情で黒板を見ていた
…やっぱり蓮ってかっこいい…惚れ惚れしちゃうほどに…
ぼーっと蓮を見つめていると、蓮もわたしのほうを向きばっちりと目があった
「!!」
しかも蓮は口パクをしてなにかを私に伝えようとしている
…ん?…2文字…っぽいけど…「ま」?…
頑張って読み取ろうとしていると蓮が急に口を手で覆い笑いだした
え?なんで笑ってるの?
蓮はもう片方の手で黒板のほうを指差す
不思議に思いながら前を向くと担任の先生でありこの委員会も担当している先生が目の前に立っていた
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える