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詩集

第16章 肉の塊

私達は肉の塊

心と、それを覆う肉の塊

肉の塊で恋愛をする

心で身体を操って

どれだけ思いを伝えれるかの

奥の深い駆け引き遊戯


表情筋で笑顔を見せる
大好きなあの人に笑顔を贈る

深指屈筋で手を握る
最初の単純な意思の交換
あっちに行こう、こっちに行こう、一緒に帰ろう

上腕二頭筋で抱きすくむ
もっと親密に肌が触れ合う
ぎゅっと触れてマホウの言葉
大好きです
とささやきかける

僧帽筋で首を上げて
上眼瞼挙筋を落としてまぶたを閉じる
粘膜と粘膜を触れ合わせる
知覚神経を介しての愛のご褒美
大好きな彼からキスをもらう

大腿筋をリラックスさせて、ゆっくり足を開いていく
彼の前に大事な場所を晒していく
彼の大事な場所も近づいてきて
私はベッドに転がされる

彼が私を割裂いて骨盤底筋がキュッと締まる
初めての刺激に
初めての異物に
肉が痛みに耐えるために
きゅきゅっとリズミカルに痙攣を起こす

そんな刺激に前立腺が、粘膜の表面に白い花火を散らして果てる
肉の連鎖は止まらない

ピクピクと与えられた小さな律動は
おおきなうねりに変わっていく
心に入ってくる心地よい刺激
彼からもらったプレゼント
子宮筋がひくっひくっと重たいしゃっくりを繰り返すと
それが体中の筋肉に伝わっていく
表情筋、深指屈筋、上腕二頭筋、僧帽筋、大腿筋
全身の筋肉すべてが大きく大きく震えると
その快楽が心に直接伝わっていく

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