
私の掏明くん
第23章 嬉しいけど悲しい
千尋「…」
東矢「その節はお世話になりました」
千尋「いえ…私は何も…」
貴子「入院してたのが嘘みたいに元気に
なって、息子の一輝も大喜びで」
千尋「…そうですか」
幸せそうな二人
見てられず目を逸らしたが
代わりに目に入ってきたのは東矢と貴子
そして
一輝の三人が写った
幸せそうな家族写真だった
貴子「やっぱり父親は必要よね」
千尋「父親…」
東矢「川澄さん?少し顔色が悪いようで
すけど…」
千尋「…すいません、ちょっとお手洗い
借りますね…」
思わず席を立った千尋
この時、掏明への想いを断ち切って帰れ
ば良かった
だけど
諦め切れず
帰る事は出来なかった
千尋「…」
一輝「おばさん、来てたんだね」
千尋「一輝君!?」
一輝「…」
