
私の掏明くん
第23章 嬉しいけど悲しい
千尋「一輝君」
一輝「おばさんは…」
千尋「お願い…お願いやめて…」
一輝「…」
東矢「一輝?」
千尋「一輝君!!」
一輝「おばさんはパパの事が好きなんだ
だからお見舞いにも来てた」
東矢「…」
千尋「違います!!違いま…」
必死に否定するが
否定すればするほど真実味が増し
千尋の顔はカーッと熱くなり真っ赤にな
っていた
千尋「本当に…本当に違…」
東矢「川澄さん」
千尋「本当に…私は…」
東矢「わかりましたから、落ち着いてく
ださい」
千尋「…すいません」
東矢「子供の言う事ですから」
一輝「…」
千尋「…私、帰ります」
これ以上
この場所には居られず
泣きそうになりながら家を出た千尋
掏明への想いを断ち切れず、家まで押し
かけ
結果がこれ…
気持ちを伝える事も
想いを断ち切る事も出来なくて
惨めな気持ちになり千尋は泣きながら家
に帰った
