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不器用なタッシュ

第5章 『 好き 』?

久々にちょっと一段落したから、今晩は香織と居られたらと思って連絡をした。


時間は21時…香織は明日も仕事だろうな…でも…。


『会いたい』


香織の携帯のコール音。


鳴らした瞬間だったのに


『も、もしもし!!』


早っ!
無意識に口元が緩む。


「はは!声デケぇよ!」


『だ…だって…私も電話しようかと思ってたから。』


「マジ!すげぇ~タイミング!香織、今から会える?」


『あ、会える!会える!』


二つ返事に、胸の中に穏やかな色が広がる。


「なんか、元気だなぁ。じゃあ、駅前で待ってるわぁ。」


『分かった!』


ガチャ…ツーツー。


今まで出会った奴で、ここまで一生懸命になってくれたのは、本当にいなかった。


香織の存在自体が、俺の存在な気すらする。 


香織をもし失ったら、俺の存在価値も無くなるんだろう。





でも、この時は深い意味まで、まだ考えてもいなかった…。

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