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不器用なタッシュ

第9章 霹靂

次々運ばれて来る料理に、軽快に舌鼓をうつ俺とは対照的に…香織はほとんど残していた。


きっと約束が気になって、仕方がないんだろうな…。


「俺さぁ~今年中に海外に進出させてもらえるんだよね」


瞬間、香織の顔はパッと明るくなった。


ドックン…


鼓動が跳ねると一緒に、胸の奥が小さく疼く。


「えっ!本当っ!?凄いじゃん!楽しみだね!そっか~海外か…益々忙しくなるね。」


「まぁな…」


こんなに喜んで貰えるなんて…なんか照れ臭くなる。


そうだよ…きっと俺自身より香織の方が俺の夢を見詰めていてくれた筈だ…。


だから…気の迷いなんだよ…

ちょっとした…。


寂しい思い、させちまったんだ…。


でも…もう…

ずっと一緒に居られるんだよ…香織…。


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