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不器用なタッシュ

第9章 霹靂

いつもの香織なら、これで俺の言う通りになっている…。


けど執拗にキスを続けたのは…

香織の身体に抵抗する力が入っていたからだ…。


ここまで…引かないって…
さっきだって、無視して行こうとしていた…。


確信したくない予感が胸に広がり、寒気に似た感覚が身体中に広がっていく。


顔を少し離すと…


「やっ!本当に…今日は…やめてよ…。お願…いっ!」



香織の目から…強い意思を感じた…。 


ザワザワ……


真っ暗な森が…
ざわめきだす…。


香織の目をジッと見据えて


「やめねぇし…帰さないって…」


そして再び笑いながら、唇を押し付ける。


「やぁ…んっく…」


掻き消した拒絶の言葉が、頭の中で反芻して…

怒りだけを増幅させていく…。


香織は…俺のモノだ!


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