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不器用なタッシュ

第9章 霹靂

早い時間から、仕事絡みの打ち合わせが入っていた。


「面倒臭いな…」


そう呟きながらも、イタリア行きに繋がるかもしれないから、素直に言う事を聞いておく。


ルームサービスを頼んでいい事と、また連絡する胸をメモに残して…


「あと…確認か…」


香織のバッグから携帯を取り出すと、チカチカとライトが点滅している。


しつこいくらい掛かってきた電話とメールで、充電はかなり減っていた。


ディスプレイを確認すると…名前は全部


「小田切…さん…?」


メールを全部俺の携帯に転送した。


これで内容は後でゆっくり確認出来る…。


携帯をバッグに戻し、香織を見ると…


「ふにゃ……」


ぷっ…寝言か?
本当に猫みたい…


「おだ…ぎ……り…」


えっ?


…ナンテイッタ?


瞬間……

胸の奥にポッカリ…


穴が空き…


重たい色が…


吹き出シタ…。

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