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不器用なタッシュ

第10章 鎖

前の俺だったら感情のままにぶつけてただろうけど、ここでヤケになったら香織は完全に小田切に行ってしまうだろう。


グッと堪えて、俺は用意しておいたイタリアの観光名所や、住まいのパンフレットとかも出して香織に見せた。


「いきなり行って住むのもなんだから、一回旅行な感じで下見に一週間行こうと思うんだ…香織も一緒に行かないか?」


旅行としてさり気なく言ったつもりだけど…

結構ドキドキしている。


香織の反応を見ると、ぼうっと上の空な感じで明後日を見ていた。


おいおい…マジかよ…。


「でさ…香織さ…香織!」


「はっ!何っ?」


聞いてねえだろ!!
と、突っ込みたくなったが


「…聞いてる?今度俺が行くときに、香織も下見がてらに一週間くらい行ってみないか?」


「…はい?」


香織は鳩に豆鉄砲状態だった。


それでも俺はお構いなしに押していく事にする。


とにかく一緒にイタリアにさて行けば、後はどうとでもなる!

俺のもんだ!


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