テキストサイズ

不器用なタッシュ

第10章 鎖

結局あちこち見て回っていたら、香織のアパートに着いたのは17時頃になった。


俺の部屋に行こうとすると、香織はあれこれ理由を付けてきたから、この際香織のアパートに上がり込めりゃぁいいやと思った。


駐車場に着いた途端、いそいそ車から降りようとする香織に、内心ムッとしながら


「香織…この後、時間ないの?」


香織は怪訝な顔で


「ごめん…この後、用事あるから…なんで?」 


「半年会えてなかったから…したいんだけど」


「へっ?」


もういっそ、ここでしちまってもいいや…誰も来そうにないし。


俺はシートベルトを外し、窓に手を付いて香織をシートで挟む様に囲うと


「なっ!ここ駐車場!」


「人いね~し!ここでヤりはしないよ。部屋、上げてくんないの?」


「し、したいって…」


分かってる癖に…敢えて言わせんのか…


「sex…」


ストレートに単語を言うと、香織はトマトみたいに真っ赤になった。


「ご、ごめんっ!!今日、本当に無理!指環ありがとう!」 


ガタガタガタ!


香織は慌ててドアを開けようとしたけど、オートロックにしておいたから簡単には出れないでいた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ