テキストサイズ

不器用なタッシュ

第10章 鎖

「足りねぇ!」


「えっ!んふっ…」


香織の頭を手で掴んで動かない様に抑え込み、貪る様に唇を咥え込んだ。


「ん…ふっ…ん…はっ…やっ…」


香織は抵抗しようとしたが、身体の感じ易い部分は熟知している。


口の中を強弱付けて掻き回していくと、香織は甘い声で瞳に熱を宿し出す。


「あっ…」


「香織…そんな声出して、泣きそうな顔してんと、止まらなくなるよ…」


耳元で小さく囁く様に、笑った。


「やっ…!」


今日の所は…布石だけだ…。


「分かってる…」


俺は香織の首元に顔を埋め、白い肌に唇を当ててゆっくりと吸っていった。


「なっ!なにっ?」


香織は肩を竦めて身体を硬直させ、顔を離すと首元の痛みに焦って、サイドミラーで現実を確認する。


白いカンバスに…桜色の花弁が描かれた。


「ちょっと…!」


さあ…小田切…
これを見てどう出るかな?


色んな意味で笑いが込上がる。


「害虫駆除…」


香織には含みを込めて


「害虫…!な、なにそれ!」


「変なムシ寄せ付けんなよ!また連絡するから!」」


本当は攫ってしまいたい…
でも、それはきっと逆効果…

俺の勘だ!


ここで俺は香織を解放した。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ