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不器用なタッシュ

第11章 執念

ハイビームで二人を照らすと、眩しそうに目を細めている。


ガチャ…


ドアを開けて、二人の前に姿を現すと、香織が物凄い形相になった。


ズキズキと胸が痛み出す。


何で…そんな顔するんだよ…。


俺は嫌味ったらしく、香織に問い掛けた。


「よう香織…そいつ誰?」


「っ…!!」


香織が言葉に詰まると、小田切が一歩前に出てきて


「俺は…」


「待って!…嘉之…何でここに居るの?」


自ら名乗ろうとしたのを香織が制止した。


なんで庇うんだよ!


怒鳴りつけたい気持ちを抑えて、香織に自白をさせる様に持っていくようにする。


「それ~こっちのセリフ…何で、ここに居るの?香織…てか、誰だよ…やっぱり男いんじゃん!」


「違う!そんなんじゃない!」


じゃぁ何で仲良く笑い合って、買い物袋ぶら下げてマンションに入ろうとしてんだよ!


「じゃあ、説明してくんない?」


どう見たって香織の非だ。
言い訳出来るならしてみろ!


俺は香織の手首を掴んで、自分の方に引き寄せようとしら


「やっ!」


「止めろ!」


香織は嫌がり、小田切が俺の腕を掴んできやがったが…

計画通りだ…


「あんた…『小田切さん』だろ」


押し殺した低い声で、俺は小田切を睨みつけた。


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