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不器用なタッシュ

第11章 執念

『ゴメン…もう…頑張れない…』


俺が香織を信じられたのは…
俺のために凄い頑張ってくれたからだ…


俺はそんな香織に、惹かれていったのに…


『嫌い』


その一言より…


衝撃が強くって…


一瞬にして、俺を闇に堕としていく。


呆然と立ち尽くす俺に余裕をかます小田切は、香織の肩に手を載せて


「入ろう…香織ん…」


マンションに連れ込もうとした。


泣きじゃくる香織は、身体を小田切に預ける様に促される。


ムカつく…
ムカつく…
ムカつくんだよ…


でも、さっきの香織の一言を俺の頭も心も直ぐに消化出来ない。


二人を見ているのが悔しいのもあって、俯いていると…


「彼女を傷つけたままでいいのかい?本音、言わないときっと君も後悔するよ…」


少し憂いがこもった小田切の声が、響いた。


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