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不器用なタッシュ

第3章 高校時代

「嘉之~あの子、中々いいんじゃないか!今度こそ長続きするかもよ!」


興奮気味の安岡に


「どうかな…。」


正直、期待はしていない。


土屋の事を全然知らないし、何より期待して傷付くのが一番嫌だった。


今まで交際申し込まれて、俺からフッた事ないんだけど。


頭の何処かで


『どうせ同じだろ…。』


フラれる準備をしてしまってる自分が、いつもいる。


そんな俺の気持ちを察してか


「嘉之~悪く考えないで、歩みよりの努力しろよ…展覧会も行って来いよ。」


「面倒だしぃ。」


「たくっ!お前が一番、面倒だよ!」


そう言い捨てて、安岡は自転車を漕ぎ出した。


「おい!待てよ!」


自分が面倒なのは、俺自身が一番知ってらぁ~!




まだまだ、幼かったのかもしれない…。


一番大事なのが何なのか…全然、解っていなかった…。


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