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不器用なタッシュ

第3章 高校時代

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結局、土曜日に展覧会に付き合う事になった。


「須永くんの画法って、何の影響?」


「あ~別に勝手に描いてるから。パレット代わりに直接紙やキャンパスに絵の具落としてるだけだよ。」


「はは~どんだけ面倒臭がりなの。」


「まぁ~そんくらいだよ。」


土屋は、展覧会の絵を一枚一枚丁寧に観ては、一言二言感想を述べてたけど、確かに一緒に居て、妙に楽だった。


多分俺に、変に期待は持ってないんだろう。 


それに察しがいいのが解る。


展覧会の後に入った、ファーストフード店で、購入した画集を真剣に見てる土屋に質問する。


「なぁ~多分、俺の性格ある程度、解ってんなら本気で付き合うって思えるの?」


その問いに土屋は、頬杖付いて答えた


「結婚まで考えてる訳じゃなし、失敗出来るのも今のうちだし、妊娠しなきゃ~いいわよ。」


「へぇ~。」


何か、面白いわぁ!


「私が欲しいのは、刺激かな…創作意欲を沸き立たせてくれるような…。」


高校生に見えない土屋の表情に、俺はゾクッと身が揺さぶられた。



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